2023.7.26  更新

尾崎地区社会福祉協議会の旗

社会福祉協議会の概要

社会福祉協議会は、第二次大戦後GHQの意向によって社会福祉政策推進の必要性から民間福祉機関・団体として設立された。法的には、社会福祉法第109条に依っている。
活動の重点は、時代の要請により共同募金、公衆衛生、介護問題と移り変わり、現在は独居老人対策、買い物支援などの弱者対策等へと移っている。

社会福祉協議会は、国およびすべての都道府県市区町村に設立されており、それぞれ独立した組織として、相互緩やかな連携を保ちながら活動をしている。
▶社会福祉協議会(ウィキペディア)

社会福祉協議会のスタート

社会福祉協議会は、1908年(明治41年)創設された中央慈善協会を母体としている。第二次大戦後にGHQ(連合国軍総司令部)の意向によって、アメリカのコミュニティワーク(地域福祉とその技術)の考え方を取り入れ、1951年(昭和26年)に福祉活動の強化を図るため恩賜財団同胞援護会及び民間社会事業関連団体等(各都道府県組織を含む)と合併・改組され、中央社会福祉協議会として発足した。

社会福祉協議会は略して社協とも呼ばれ、福祉活動への住民参加をすすめながら現在まで一貫して地域福祉活動推進の中心的役割を果たしてきた。

社会福祉協議会の特徴

社会福祉協議会の大きな特徴は、地域住民、社会福祉の関係者などの参加・協力を得て組織された民間組織としての自主性と、住民や社会福祉関係者に支えられた公共性という2つの側面をあわせ持った民間の非営利組織という点にある。

法律的には、社会福祉法(2000年6月に社会福祉事業法を改正施行)の109条で「市町村社会福祉協議会及び地区社会福祉協議会」(ここでいう地区社会福祉協議会とは、特別区および政令指定都市の行政区の地区社会福祉協議会をさす。尾崎地区社会福祉協議会のような小地域の社会福祉協議会をさすものではない。)が規定されている。さらに同法第110条で「都道府県社会福祉協議会」、第111条で「全国社会福祉協議会」が規定されている。また、社会福祉協議会は、基本的には社会福祉法第22条で定義される公益法人としての社会福祉法人格を持っている。
つまり、社会福祉協議会は社会福祉法で規定された非常に公共性の高い民間団体であり、全国、各都道府県、市区町村単位で組織されている。

社会福祉協議会の目的・事業等

目的

社会福祉法第109条では、社会福祉協議会は「地域福祉の推進を図ることを目的とする団体」と規定されている。
これを言い換えれば、社会福祉協議会は「地域社会において、自主的な福祉活動の中核となり、活動の推進を図ろうとする非営利の民間団体である。そして、自主的な福祉活動とは、地域が抱えている様々な福祉問題を地域全体の問題としてとらえ解決を図ること」となる。

事業
社会福祉協議会の事業は、社会福祉法第109条で次のように規定されている。
*社会福祉を目的とする事業の企画及び実施
*社会福祉に関する活動への住民参加のための援助
*社会福祉を目的とする事業に関する調査、普及、宣伝、連絡、調整及助成
*社会福祉を目的とする事業の健全な発達を図るために必要な事業

活動の原則と機能
全国社会福祉協議会が、1992年(平成4年)に「新・社会福祉協議会基本要項」として、次のような「活動原則」と「機能」を策定している。  

ア 活動原則(5つの原則)
 地域の特性を生かした福祉活動の原則
 ① 住民ニーズ基本の原則
 ② 住民活動主体の原則
 ③ 民間性の原則 
 ④ 公私協働の原則
 ⑤ 専門性の原則

イ 機能(7つ機能)
  地域福祉推進の組織としての機能
 ① 住民ニーズ・福祉課題の明確化、住民活動の推進機能
 ② 公私社会福祉事業等の明確化・連絡調整機能
 ③ 福祉活動・事業の規格化及び実施機能
 ④ 調査研究・開発機能
 ⑤ 計画策定、提言・改善運動機能
 ⑥ 広報・啓発機能
 ⑦ 福祉活動・事業の支援機能
このように各種の福祉活動に必要な指針が定められているが、社会福祉協議会はあくまでも民間団体であり、拘束力は疑問である。

▶全国社会福祉協議会ホームページ
▶新・社会福祉協議会基本要項(全国社会福祉協議会ホームページ)

社会福祉協議会と他の福祉団体との違い

社会福祉協議会の活動を列挙すると次のようになる。
①高齢者サービス・障がい者問題など特定の福祉問題と取り組む団体と異なり、特定の福祉問題の解決だけを目的にしていないということ。
②地域社会の福祉問題を、住民自身の活動で解決に取り組んでいく手助けをする。
③住民などの自主的協働活動・事業で、既存サービスの改善または新しく作る必要がある時の手助けをする。
④行政、民間の各種機関とのネットワーク化を図る。
ボランティア活動推進のための支援を行う
地域福祉推進のために必要な情報提供等を行う。
⑦社会福祉を担う人材の養成をはかる。
このように社会福祉協議会は福祉活動の推進を行うことを目的とした公共性の強い団体で、利益を考慮しなければならない他の福祉団体とは活動内容が大きく異なる。

社会福祉と地域福祉

社会福祉

「社会福祉とは何か?」という問いに対して、極めて単純に述べると次のようになる。

社会福祉とは、誰もが安心して暮らせることのできる町を実現するため、つまり普段暮らしで地域の「幸せについて考えることである。福祉の「」は普段の、「」はくらしの、「」はしあわせを実現しようとする活動と表現すると分かりやすい。

地域福祉と社会福祉協議会

地域福祉(活動)は、それぞれの地域において人々が安心して暮らせるよう地域の人々が互いに協力して、地域の福祉課題の解決に取り組むこと(活動である。
したがって各都道府県市区町村の社会福祉協議会は、「住民が安心して暮らせる福祉コミュニティづくりと地域福祉の推進を使命とする組織」と言える。

地域福祉活動の中核となるのは、市区町村の社会福祉協議会である。さらに地区社会福祉協議会が最も地域に密着した活動を創ることが出来る組織であろう。地区社会福祉協議会(地区社協)は、広い活動地域を持つ市社協などが、おおむね小学校区を範囲として設けている住民組織で、校区社会福祉協議会(校区社協)などとも呼ばれる。尾崎地区社会福祉協議会はこの地区社協である。
つまり、市町村社協および地区社協は地域福祉活動の中核で、地域住民と一体となって地域の福祉問題の解決に取り組み、いつまでも暮らし続けたいと思う街にしていくため、住民が主体となり福祉のまちづくりを進める組織と言える。

各務原市社会福祉協議会(市町村社会福祉協議会)

各務原市社会福祉協議会(市社協)は、他の市町村社会福祉協議会と同様に、社会福祉法第109条の規定により事業活動を行っていることは言うまでもない。また、各務原市社会福祉協議会は社会福祉法人である。

各務原市社協の事業や組織の概要および歴史、市社協と尾崎地区社会福祉協議会の関係などは、下のリンク先に詳しく記している。
▶市社協と地区社協

地区社協と市社協の関係や地区社協の活動などについては、下のリンク先も参考になる。
▶「市社協」と「地区社協」との関係について(山口県山陽小野田市社協ホームページ)
▶地区社協とは(岡山県社協ホームページ)

地域福祉計画と地域福祉活動計画

社会福祉法では、第1条で「地域における社会福祉」が地域福祉であると規定し、第4条では「地域福祉の推進は、地域住民」などが参加し、「共生する地域社会の実現を目指して」行なうものとしている。
この地域福祉を推進する主体は地域住民などであるという考え方に立って、地域住民などによって社会福祉協議会が組織され(社会福祉法第109条)、市町村は行政計画として「地域福祉計画」を策定するように規定している(同第107条)。
▶社会福祉法(抜粋)

つまり、地域福祉を進める上で市町村全体の理念や仕組みをつくる計画が「地域福祉計画」である。そして「地域福祉活動計画」は、この計画を実現・実行するために地域福祉活動の中核をなす社会福祉協議会が作成するもので、社会福祉協議会の活動や行動のあり方を定めものであるといえる。

各務原市では、従来は個別に策定していた市の地域福祉計画と市社協の地域福祉活動計画を、第4期計画(令和2~令和6年度)では一体的に策定し、市と市社協の連携を強化している。
この第4期計画を策定するにあたっては、尾崎社協でも地域コミュニティ会議を2回行って策定に協力している。

▶第4期地域福祉計画・地域福祉活動計画について(各務原市役所HP)
▶第4期地域福祉計画・地域福祉活動計画(かかみがはらハートフルプラン・いきいきプランかかみがはら)本編(各務原市役所HP)
▶同上 ダイジェスト版(各務原市役所HP)

社会福祉協議会の今後

地域共生社会の実現に向けて、令和2年6月に社会福祉法が改正され、令和3年4月から施行された。
これに伴い、社会福祉協議会の役割がさらに大きくなり、事業も拡大してゆくことが予想される。

▶社会福祉法の改正趣旨・改正概要(厚生労働省)

社会福祉法の改正趣旨・改正概要(厚生労働省)より引用
社会福祉法の改正趣旨・改正概要(厚生労働省)より引用
社会福祉法の改正趣旨・改正概要(厚生労働省)より引用